「買ってから好きになる」はもう古い!ファン化とメールの再定義

更新日:2025/5/27
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マーケティングの常識が変わり、「ファンだから買う」時代が到来しました。本記事では、現代におけるSNSとメールの新たな関係性に注目し、ファンとの深い関係構築におけるメールマーケティングの重要性を再評価します。
古いマーケティング手法だと思われがちなメールマガジンは、実は顧客との絆を深める重要なチャネルなのです。

マーケティングの常識が変わった


ここ数年で、マーケティングの常識が大きく変化しています。従来は「見込み客に認知してもらい、購入につなげ、そこから関係性を深めていく」という流れが一般的でした。しかし現在では、消費者行動に明確な変化が見られます。

今や、「ファンだから買う」が新常識です。

SNSの普及により、ブランドや企業の「人となり」や「温度感」が日常的に観察されるようになりました。リアルタイムでの情報発信、ユーザーとの対話、社員の素顔など、小さな断片を通じて「このブランド、なんか好きかも」と感じる機会が増えています。そして、この「なんか好き」という感情が購入のきっかけとなっているのです。

SNSとメールの新しい関係性

新しい消費行動において、SNSは間違いなく最前線のツールです。しかし、SNSだけでファンとの関係が完結するわけではありません。むしろ、その「次」の関係深化において再評価されているのがメールなのです。


SNSの役割メールの役割
SNSは広く浅く種をまき、ファンになりうる人との最初の接点をつくります。リアルタイムでの情報発信や対話を通じて、ブランドの人となりを伝え、「なんか好き」という感情を育みます。メールは関係性を深める場所です。SNSから誘導され「メールで情報を受け取る」というアクションに至った時点で、相手の関心は相当高い状態にあります。ここからさらに関係性を深めていくのがメールの役割です。

このように、SNSとメールは競合するものではなく、相互補完的な関係にあります。ファンエンゲージメントの始まりと深化、それぞれの段階で最適なチャネルを活用することが重要なのです。

メールは「信頼の証」になった

メールというと、古い、開封されない、読まれないというイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし実際には、特にZ世代を中心に、「メールは厳選された情報だけを受け取るもの」として使われています。

SNSの特性メールの特性新しいメールの価値
大量の情報が自然と流れてくる"選ばれた媒体"としての価値「ブランドと本気で向き合いたい」と思った人だけが受け取る"信頼の証"
気軽に触れることができる重要な情報を受け取るためのチャネル
情報の選別が難しい信頼関係の象徴関係性の深化の場

つまりメールは、単なるキャンペーンの案内ツールではなく、ブランドとユーザーの間の特別な関係を象徴するものとなっています。この価値を理解し、適切に活用することが現代のマーケティングにおいて非常に重要なのです。

ホットな関係性をさらに深めるために

SNSから誘導され、「メールで情報を受け取る」というアクションに至った時点で、相手の関心は相当高い状態にあります。この"ホットな関係性"をさらに深めるためには、どのようなアプローチが必要でしょうか。


これらの工夫によって「自分ごと化」を促進し、ブランドへの愛着をさらに高めることができます。メールはもはや単なる通知ではなく、ファンコミュニケーションそのものなのです。

「文通」のような温かさが大切

生成AIが台頭する時代にあっても、メールが持つ"人間味"は依然として重要です。たとえば、メールの件名一つで開封率が倍以上に変わることはよくあります。そこには、単なる最適化ではなく、相手の気持ちを想像する力が必要です。

「今このタイミングで、どんな言葉が響くだろう?」「この人が昨日クリックした内容と合わせて、どう話しかけたら自然だろう?」

そうした思いやりや感性が、"読まれるメール"を生みます。ビジネスメールの世界においても、私たちは今、「文通」のような感覚を取り戻すべきなのかもしれません。

人間的な温かさと誠実さを持ったメールは、自動化やAIを活用しつつも、その根底にある「人と人とのつながり」を大切にします。それこそが、ファンとの関係を深める本質なのです。

効果的なファンメールの具体例

では、具体的にどのようなメールがファン関係を深めるのに効果的なのでしょうか。以下にいくつかの実践例をご紹介します。


これらのメールに共通するのは、単なる商品紹介やセールス目的ではなく、受信者との関係性を大切にする姿勢です。情報提供と感情的なつながりのバランスが、効果的なファンメールの鍵となります。

メールは"古い"ではなく"深い"



「メールはもう古い」——そう思っていた方こそ、今あらためてこの媒体の可能性を見直す価値があります。単なる通知や広告ではなく、「好きになってくれた人と、さらに深くつながるためのステージ」として、メールは進化し続けています。

ファン化のゴールは、関係性の持続です。そして、その関係性を温かく丁寧に育てられる場所が、他でもない「メール」なのです。古い道具だと思われていたメールが、実は最も深い関係構築のためのツールとして再評価される時代が来ています。ブランドとファンの絆を深めるために、メールの持つポテンシャルを最大限に活用していきましょう。

コラム監修

米澤信弘(よねざわのぶひろ)
株式会社ライトアップ iクリエイショングループ マネージャー

20年以上メールマーケティングに従事し、数多くのノウハウを確立。
企業メルマガのコンサルティングやコンテンツ制作を支援するとともに、セミナーにも登壇。
宣伝会議「メールマーケティング実践講座」担当講師を務める。
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