最初に知っておきたいのが、メールマーケティングやコンテンツマーケティングと同様、SNSマーケティングにも顧客育成のフェーズがあり、アカウントの規模感やKPI、目的に合わせて施策を使い分ける必要があるということです。
まずは今運用しているSNSアカウントがどのフェーズにいるのか、そしてどういう施策が適しているのかを見てみましょう。
【フェーズ1】認知獲得まずはSNSアカウントの存在を知ってもらうための施策を打つことが重要です。
・アカウント紹介の広告を配信する
・アカウントをフォローすることでインセンティブが得られるキャンペーンを行う
・キャンペーンの認知度を高めるためにインフルエンサーに参加・紹介してもらう
などの施策が考えられます。
SNS広告は配信ターゲットを細かく設定できるものも多いので、想定したターゲットに近いユーザーに向けて配信しましょう。
【フェーズ2】商品などへの理解促進ユーザーとの接点ができたら、商品やサービスを知ってもらうための施策を行います。
・アカウントを運用して有益な情報を発信する
・商品・サービスの広告を配信する
・ソーシャルリスニングを行いフォロワーや潜在層の動向を探る
などの施策が考えられます。
SNSアカウントの運用では商品やサービスに関する投稿だけでなく、季節やトレンドに合わせた投稿も行いましょう。寄せられたコメントへの返信や、ソーシャルリスニングで得たユーザーの疑問に答える投稿をするなどもおすすめです。
【フェーズ3】購入促進、顧客化次に購入や参加など、実際に商品やサービスを手にとってもらうための施策を行います。
・アカウントで商品・サービスを紹介する
・商品・サービスの広告を配信する
・インフルエンサーを活用し商品・サービスを紹介してもらう
・ソーシャルリスニングを行いフォロワーや潜在層の動向を探る
などの施策が考えられます。
なおSNSアカウントの運用では、年間を通じて季節やトレンドに合わせた投稿を行うことも重要です。商品やサービスを紹介する投稿だけになってしまうと、フォロワー数が減ったりエンゲージメントが下がったりすることも考えられます。ユーザーにとって有益な情報や、コミュニケーションを中心とした投稿も発信し続けることを心がけましょう。
【フェーズ4】LTV・NPSの向上、ファン化LTV(ライフタイムバリュー/顧客生涯価値)とは、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益のことです。初回の購入・利用だけでなく、2回目以降も含めて考えます。
NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、顧客ロイヤリティを数値化した指標のことです。家族や友人などに商品やサービスを勧めるかといったことも数値化し、未来の予測を立てます。
こういった考え方も用いながら、ユーザーをファン化するための施策を行います。
・口コミ投稿でインセンティブが得られるキャンペーンを行う
・引き続きSNSアカウントを運用して有益な情報を発信し、ユーザーと接点を持ち続ける
・ソーシャルリスニングを行い購入者の動向を探り、次回の施策に活かす
などの施策が考えられます。
一度購入・利用してもらったから終わりではなく、ユーザーをつなぎ止めてファンになってもらえるような施策を行うことが重要です。
図表の通り、SNSアカウントの運用はほぼすべてのフェーズにまたがる重要な施策です。投稿に対する分析を行い、反応の良い/悪い投稿の傾向を掴んだり、投稿時間帯をチューニングしたりして、アカウントの質を高めていきましょう。キャンペーンやインフルエンサー、広告の活用による一時的な盛り上がりだけで終わらせず、アカウントを成長させながら適した施策を打つことがより高い成果を得ることにつながります。