SNSで集客、メルマガで顧客育成。デジタル時代に効くメールマーケティングの役割

更新日:2025/9/3
「メルマガはもう古い」と感じ、SNSに注力しているマーケティング担当者は少なくありません。もし今、「SNSは頑張っているけれど、なかなか成果につながらない…」と悩んでいるなら、一度立ち止まってメルマガの役割を見直しませんか?

SNS全盛のいま、マーケティングの中心がソーシャルに移ったのは間違いありません。発信力、拡散性、リアルタイム性。SNSにより、企業と生活者の距離は劇的に縮まりました。
一方で、「メール」という古くからあるメディアが、あらためて見直されはじめています。
なぜか?それはメールこそが「信頼の証明」になり得るからです。

SNSが「広く浅い関係」を築く場所だとすれば、メールは「深い信頼関係」を育むメディア。情報過多の時代だからこそ、自らの意思で受け取ることを選んだ「メルマガ」の価値が際立っています。

SNSは広く、メールは深く


SNSでフォローしてもらうことはいわば「関心の入口」に立つこと。しかし、そこから一歩深く踏み込んで「メールを受け取る」という行動を選んでもらうには、それなりの「信頼と期待」が必要です。

たとえば若い世代、特にZ世代はSNSネイティブではあるものの、情報の取捨選択においては非常にシビアです。彼らにとって、メールは「自らが選び取るメディア」。フォローやいいねのような「流し読み」とは異なり、「ちゃんと読もうと思って受け取るもの」という位置づけがあるようです。

だからこそ、メールは信頼の象徴。
メールアドレスを登録するという行為は、「このブランドともっと関わりたい」「ちゃんとした情報が欲しい」というサインでもあるのです。

メールが持つ「特別感」とは


SNSではたくさんの情報がタイムラインに流れ続けます。気になる投稿もあれば、スルーされる投稿もある。
一方、メールはそうではありません。ユーザーが自らの意思で受け取りを承諾(オプトイン)し、受信したら一通ずつ確認するメディアです。そのため開封率や反応率が高くなる傾向にあります。

この「選ばれし情報」という特性こそが「メールは単なる販促の手段ではなく、ブランドとユーザーを深くつなぐツール」であることのあらわれ。軽い読み物ではなく、「信頼に値する内容」が求められる。だからこそ、良いメールは読まれ、記憶に残るのです。



ライトアップとユミルリンクが2025年に実施した購買行動に関する共同調査でも、企業・ブランドのメディアで最も信頼できると感じるものとして、メールマガジンが挙げられています。
この結果からも、情報過多の時代にこそ、メルマガの持つ「信頼の証明」としての価値が再認識されていることがわかります。

AI時代にこそ問われる「言葉の温度」


メールマーケティングの効率化においても、AIは活躍しています。開封率を上げる件名のA/Bテスト、ユーザーごとのセグメント配信、クリック率向上のためのレコメンド設計など、テクノロジーの恩恵は大きいでしょう。
しかし、これらはあくまで業務を効率化し、精度を高めるためのもの。メールが読者の心に響くかどうかは、最終的に「言葉の温度」にかかっています。

例えば、「ご検討、いかがですか?」という一文にも、押しつけがましさを感じるか、親切さを感じるかは、文脈と語り口によって変わります。これは、受け手の気持ちをおもんぱかる「人間の感覚」が不可欠な部分です。
AIに任せられる領域が広がっているからこそ、人間が担うべき「ニュアンス」の重要性が、むしろ高まっていると言えます。

SNSが「出会いの場」なら、メールは「顧客育成の場」


SNSで得た関係性を育てるのが、メールの役割です。とくに商品を購入してくれたお客様や、問い合わせをしてくれた方に対して、メールでその後も有益な情報を届けることができれば、そこには継続的な信頼と期待が生まれます。

最近では、ステップメールやシナリオメールを活用して、ブランドの世界観や価値観を段階的に伝える設計が一般的になってきました。こうしたコミュニケーション設計は、ただ商品を売るためではなく、「ブランドを丁寧に届けるため」の顧客育成施策であり、CRM(顧客関係管理)の中心を担うものです。

メールは、これから「もっと強い」武器になる


選ばれ、読まれ、響くコンテンツを届けられる「密度の濃いメディア」は、メール以外にそう多くはありません。むしろ、情報が溢れ、信頼が希薄化しがちなこの時代だからこそ、メールの価値は際立っているのです。

人は、好きな人やブランドからの言葉を待ちます。
その言葉が自分のために書かれたものだと感じられたとき、メールは単なる通知ではなく、ファンを育てる「手紙」になるのです。

よくある質問

SNSでフォロワーを増やしてからメルマガを始めるべきですか?

どちらか一方ではなく、両方を連携させることが重要です。まずはSNSで「広く浅い」興味を持ってもらい、その上でメルマガへと誘導して「深い」関係性を築くのが理想的な流れです。メルマガは顧客育成の中心となるため、SNS運用の初期段階から並行して準備することをお勧めします。

メルマガの配信頻度はどのくらいが適切ですか?

顧客育成の観点から、まずは無理のない範囲で継続できる頻度を目指しましょう。週1通から始める企業が多い傾向にあります。重要なのは、頻度よりも「読者の期待に応える内容」であることです。やみくもな高頻度配信は、読者の興味を失わせる原因になりかねません。

既存顧客へのメール配信は、どうすれば良いですか?

ユーザーは、自分にとって役立つ情報をメルマガに求めています。購入履歴や閲覧履歴に基づいてパーソナライズ化するのはもちろん、メルマガ読者だけの特別感のある限定クーポンや、ここでしか読めない情報を配信することが重要です。ユーザーに「自分だけに送られてきた」と感じてもらえるような工夫が、継続的な信頼とエンゲージメントを築きます。

コラム監修

米澤信弘(よねざわのぶひろ)
株式会社ライトアップ iクリエイショングループ マネージャー

20年以上メールマーケティングに従事し、数多くのノウハウを確立。
企業メルマガのコンサルティングやコンテンツ制作を支援するとともに、セミナーにも登壇。
宣伝会議「メールマーケティング実践講座」担当講師を務める。
米澤信弘 ライトアップ

サービス・ソリューション

メールマガジン制作・運用支援サービス

メールマガジン制作・運用支援サービス

SNS運用代行・マーケティング支援・コンサルティング

SNS運用代行・マーケティング支援・コンサルティング

SNS(ソーシャルメディア)スタート支援サービス

SNS(ソーシャルメディア)スタート支援サービス

SNS(ソーシャルメディア)広告運用代行サービス

SNS(ソーシャルメディア)広告運用代行サービス

Gmail 「迷惑メール率」監視設定・アラート通知サービス

Gmail 「迷惑メール率」監視設定・アラート通知サービス

MA活用

MA活用

お問い合わせ

お電話またはメールフォームより、
お気軽にお問い合わせください。
03-5784-0702
受付時間 / 10:00~19:00